僕らは移民ドライバー!中編

僕は事前にホステル内で充電しておいた10kgくらいあるバッテリーを担いで外に出る。

今日もホステルの前の柵にズラーっと違法電動バイクがロックで停められている中、その中の一つのロックを自分の鍵で解除して、自転車の電源を入れるピロン!

この音が町中至る所で鳴り響いているのがシドニーの中心地で、それくらいドライバーは町中にウジャウジャいるんだ。

違法な電動バイクと、そうでない電動バイクの違いはどちらも見た目が同じなので分からない。

だからポリスは定期的にランダムなドライバーを見つけて止めて、その際に

「ボタンを押したら自動で車輪が動くかどうか」を基準に取り締まっている。

なんだけど、結局捕まったやつも何事もなく解放してもらったらしいし、警察側もこれだけ町中に電動バイクが増えていたら手の出しようもないのだろう。。

僕が乗っていたバイクは、ちょっとでもペダルを踏めば中に内蔵されている機械が検知して、漕ぎ続ければ時速40kmも出る。

座っているサドルもバイクのようにフカフカで、タイヤも太い。もう、ほとんどバイクだ。

どれだけ遠くに行かなければいけない時でも、力を使わずに漕げてしまうから結構楽しいし、疲れない。

この違法バイクは中国人2人が貸し出しをしていて、月に80ドルという"契約"で僕らに貸し出している。

whats appdで連絡先を交換したら、自分が希望したロケーションを指定すると、彼らがその電動バイクを届けてくれる。壊れたら修理もしてくれる。意外と信用できる。。

(大体海外生活が長くなってくると、何かを裏ルートで手に入れたい時は大体中国人がもうそのビジネスを始めている。という感覚がある。。今回の電動バイクの件もそうだったし、中国人と分かった時はなんだか安心すらもした。。良かった。。ロシアでもなく、フランスでもなく、中国だった。。みたいに。)

この中国人2人を誰かが見つけた途端、ホステル中に噂がバーっと広まってほとんどのドライバーがそのバイクになった。

一部フランス人のグループは、彼らのコミュにテーがあり、彼らの中で同じようなバイクを貸し出していたのだが、サービス内容とか、お金の計算の面ではやっぱり中国人が信用できる。

日本では中国人観光客が来ると「態度が悪い」とか批判の声が多く上がるが、

僕が実際にビジネスをしている中国人と接してきて、そう思ったことはない。

彼らはお金に貪欲で、なにせ頭がいいから信用ができる。

そんなこんなで、僕はいつも注文が多く来るゲイが集まるエリア、オックスフォードストリートへと向かった。ビューーン!

ペドロが先に他のドライバー仲間とケバブ屋さんの前にある椅子に座って話していた。

ここのお店からは一日5,6回僕らが注文を受け取るから、お店の人も暗黙の了解で僕らが座ってもいいようになっていた。

ホステル仲間のペドロと、コンピューターサイエンスの授業をここで受けながら学生をしているトルコ人と、ファームで2年間オーストラリアに滞在できることになったフランス人がいた。

僕は新入りで、彼らはもう長いこと1年ほどこの仕事というか遊びみたいなものをやっているから、ここのエリアのことは熟知している。

もちろん彼らも僕らと同じような速いバイクだ。

僕もそこについて、彼らと拳で挨拶をする。近況を話したりする。

誰かのスマホに注文が来たら、僕らに一旦別れを告げてドライブに行く。

1,2時間したら、また彼らがそこに座っているからまた話をしたり、ポリスの格好をしたゲイを眺めたり、お店で食べ物を買ってリラックスしていることもある。

注文が多い週末などには、みんなそこに止まっている機会は少ないけど、とりあえずそこにいけば誰か話し相手がいるのだ。

僕ら以外にも、道路の向かい側でラテンのドライバーのコミュニティーがあったり、違うエリアにいると、インド人のコミュニティーがあったり、やってみるとなんだか面白い。

それぞれのエリアのドライバーのコミュニティーが存在して、それぞれどこで注文を待てばいいか知っているから、僕も違う街へ遠出をして、なんかしらのコミュニティーがそこで固まっていたら、僕もそこで待つようにしている。

ペドロから色々とコツを教えてもらったり、ペドロが行く場所に僕もついて行ったりと、ホステルの仲間も僕たちの居場所に気づいたのか、段々とコミュニティーが大きくなっていった。

一番すごい時だと、7人くらいホステルのメンバーが同じところに集まって待機しながら話していた。

大雨で凍える日も、ケバブ屋さんの前に行くと、彼らが居たからなんだか安心して働くというか遊ぶことができたので、全くと言っていいほど働いている感覚がなかった。

シドニーの街をドライブしているような感覚だった。

何ヶ月かこの仕事を続けていると、飽きると思いきや、知り合いが増えたり、ちゅもんを受け取りに行く時のお店の人も僕の顔を認知してくれて軽い世間話や、売れ残った食べ物をくれたりして結構ハマっていった。

ほとんど話して、いろんな師父ドニー中のエリアを回って、適当な働きぶりだったけど、それを「移民できた人たちが仕事を見つけられないからとりあえずこれやっとけ」みたいな位置付けで僕らにこの種類の仕事を設けてくれたシドニーや

この適当な働きぶりでもあまり気にしないオーストラリア人の特徴にもまあまあ感謝している。